形成外科・皮膚科の保険診療・美容医療なら名古屋市中区の「こいずみ形成クリニック」へ。 当院では、眼瞼下垂・陥没乳頭・腋臭・傷跡・ほくろなどは保険診療の対象です。眼瞼下垂は年間600症例を行っております。
先天性眼瞼下垂
生まれつきまぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の機能が弱っているか、消失している、また眼瞼挙筋自体がない方もいます。
幼少時から何回も手術している場合もありますが、目が開いた状態を維持することはなかなか困難です。
腱膜性眼瞼下垂とは原因が異なりますので、治療法も違います。
治療法については以下に詳細に書きます。
治療法としては大きく２つの方法があります。
ひとつは眼瞼挙筋の機能が脆弱ながらも残っている場合には、挙筋短縮という方法があります。これは眼瞼挙筋を短くして、まぶたの瞼板に縫い付ける方法です。
もうひとつは、眼瞼挙筋の力がないか、弱すぎて挙筋短縮だけではまぶたを持ち上げれない場合は前頭筋の力を使ってまぶたを持ち上げる筋膜移植術があります。
今までの経験では、挙筋短縮は調節が難しく、また後戻りも多いのが欠点です。先天性の場合にはほとんど筋膜移植を行っています。理由は、たいていこれまでに挙筋短縮などの手術を複数回行われていることがほとんどで、挙筋短縮でが上がらない症例が多いからです。
もちろん筋膜移植になる前に、挙筋短縮を行いますが、それでも挙がらないときに筋膜移植を行います。ほとんどの症例で筋膜移植になってしまいます。以下筋膜移植について書きます。
先天性の眼瞼下垂の症例では、まぶたを開けようと前頭筋を補助として使うために眉毛が上方に挙がっています。その眉毛を持ち上げる力を利用して、まぶたを持ち上げます。まぶたにある瞼板と前頭筋を筋膜を移植してつなげてしまうのです。そうすると眉毛をあげるとダイレクトに上まぶたを持ち上げる力が伝わり目が開きます。皮膚はまぶたの二重のラインと、眉毛の中か上縁に切開を入れます。
筋膜採取部位は、大腿筋膜か側頭筋膜を用います。大腿筋膜では太ももの外側に３ｃｍほどの傷がのこりますが、ほとんどわからないぐらい白くなります。側頭筋膜は毛髪内を切開しますので、傷はわかりません。採取部位は3〜5日は鈍痛がありますが、1週間でほとんど解消します。
手術前と手術中のお写真です。
手術中の上がりの調節が重要です。
この方は挙筋短縮を受けています。
この手術は確実にまぶたが上がりますが、その分目が閉じにくくなりますので、夜間は目に軟膏を入れることが必要になります。
日中はそういったことは大丈夫です。
次は若い症例です。この方もすでに挙筋短縮を受けられています。
生まれつきの眼瞼下垂の症例です。これまでに手術の既往がますが、目の開きはよくなく瞳孔が半分以上隠れています。
筋膜移植は眉毛の上縁を切開してまぶたの眼輪筋下に筋膜を通して、まぶたと前頭筋をつなげます。これが筋膜を移植して眼輪筋下を通しているところです。ここで筋膜と前頭筋を縫合し余分な筋膜を切り捨てます
手術後 ３ヶ月です。眼瞼挙筋の機能はありませんでしたが、目が開くようになりました 。もっとあげたいという方もいますが、目が閉じづらくなりますので限界はあります。ただ、下がってきたときには筋膜をちじめるだけで再調整・再挙上が可能ですので、再度筋膜を採取する必要はありません。
筋膜はどこから？という質問が多いのですが、こめかみの側頭筋筋膜か、大腿筋膜を用います。
この方の術後５年です。
この間、治療は何もしていません。
目の下の内出血は涙袋のヒアルロン酸を打ったらしいです。
３０代男性
左が手術前 真ん中が手術直後 右が手術直後の目を閉じたところ
手術中、大腿筋膜を採取しました
手術をしたのは左目（写真では向かって右側）
上から
- 手術前
- 手術中
- 手術後3か月
- 手術後3か月の閉瞼
これまで5回手術をしたが初めて挙がった とのことでした。年齢的にも挙筋機能からしても筋膜移植以外の方法では難しかったのでししょう
