形成外科・皮膚科の保険診療・美容医療なら名古屋市中区の「こいずみ形成クリニック」へ。 当院では、眼瞼下垂・陥没乳頭・腋臭・傷跡・ほくろなどは保険診療の対象です。眼瞼下垂は年間600症例を行っております。

日本一の眼瞼下垂専門クリニックを目指して

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眼瞼下垂の左右差について〜2

眼瞼下垂の左右差について〜1では手術中の確認では左右はそろっているのに、手術後の経過で左右差がでた場合について書きました。

このパート2では、手術中に左右がそろわない場合について書いていきます。

手術中に左右がそろわない原因として

  1. 局所麻酔が眼瞼挙筋に効き、挙筋が麻痺してしまう
  2. 局所麻酔に含まれる血管収縮剤が、ミューラー筋に効き、ミューラー筋が収縮して眼瞼が挙がる
  3. へリングの法則〜片側の眼瞼下垂を治すと、対側の眼瞼が下垂してくる
  4. 効きまぶた(dominant eye)から、眼瞼挙筋腱膜を瞼板に留めなかった。
  5. 手術中に麻酔が切れて、痛がらせたとき

などがあげられます。

1.2.が生じたときには、挙筋の麻痺・ミューラー筋の過収縮が落ち着くまで15〜30分待ちます。
通常は、待てば挙筋の動きは回復してきますし、ミューラー筋は緩んできます。

3.については、手術前にクリップでつまんで確認しますが、これですべてへリングを避けれるわけではありません。
むしろ、クリップで確認してもその通りにならないことのほうが多いと思います。

4.については、手術前に効き瞼が判然としない症例もあります。
また④は左右差の原因になりえますが、手術中にしつこく、丁寧な調整を行うことで対応できるでしょう。

5.については、痛がらせると瞼はあがらなくなります。
麻酔を追加しますが、その結果1.2.が生じる可能性が高くなるので、初めにしっかりと麻酔を行い、目の開きの確認は手術開始から40分、修正などで時間がかかっても1時間以内に確認するように心がけております。通常は30〜45分後には確認できます。ここから細かく調整していっても1時間以内は左右を合わせることができます。

ここで、手術中にどうしても左右がそろわないときはどうするか?ということが重要です。
麻酔が効いてしまった筋肉の機能がなかなか戻らなかったり、待っている間に麻酔が切れてきてしまったりといったことは経験はあります。
もちろんある程度の時間を待つのはいいのですが、1時間も待てば腫れも出てきて、やはり左右をそろえることは難しくなってきます。
このような状況では最長45分以上待つことは得策ではありません。
この場合は、眼瞼挙筋腱膜を解剖学的に一致させて固定します。つまり左右の眼瞼挙筋と瞼板の位置を合わせて固定します。
術中・手術直後は左右はそろっていませんが、1〜2週間でそろうことが85〜90%です。

ここまで行ったうえで左右差が残ってしまったときには、申し訳ありませんが修正を行うことになります。左右差で修正になるのは4〜5%です。

目の開きの修正は、通常は片側の目を反対側に合わせるように、片側のみに行います。

修正を行う時期は手術後3か月〜4か月以降になりますが、手術後5〜7日目の抜糸の時に、2mm以上の左右差がある場合には、その場で治してしまうこともあります。

左右の目の開きが全く同じという人はいませんが、目の左右差は気になるものです。
そうならないように、上に述べたような対応をして、再手術になる人がゼロになるように努力しております。